しなのいえ日記

ギターの修理とオーダーは・・・

コロナウィルスの影響で活動自粛が広がり、皆さんウチで過ごす時間が増えているようですね。

 

知り合いのドクターに聞いたところ、今回のウィルスはインフルエンザよりも治りにくいらしいので、ワクチンができるまでは今しばらくおとなしくしているのがよさそうだとのこと。

目に見えない相手だけにフラストレーションもたまりますが、食事と睡眠で免疫力を高めておきましょう。

 

 

そんなウチで過ごす時間がたっぷりあるというときは・・・

 

ちょっと長文お付き合いください。

 

 

 

昨年秋にお引渡しした御代田町「草越の家」のお話です。

 

 

オーナーは大阪のど真ん中でギター工房を営んでいた、「Joe Forest Guitar House」のジョーさんです。

http://www.joeforest.net/index.html

 

 

 

夏が厳しい大阪から、冬が厳しい長野への移住を決断されました。

移住にあたり、奥様より寒がりな(笑)ジョーさんは高断熱住宅のことを一生懸命勉強したとのこと。

その後、仕事をお願いしようと思っていたご友人からのつながりでご縁をいただくことになりました。

 

 

「林の中の一軒家」のイメージがよかったとのことで、見せていただいた土地は・・・・。

・・・なるほど、ここが入口ですか。結構狭いですねえ。生コン車入るかしら(汗)

 

敷地を南東から見たところです。

植栽に使えそうな樹木がたくさんあり、思わずいつもお願いしている造園屋さんへ連絡してしまいました。

 

ちなみに道路の先には倒木があり、クルマではこれ以上進めず。

画像左側が敷地です・・・。

 

いつも通り設計の手がかりをつかむべく土地の入っていきますが。

 

 

 

 

歩くこともままならず。

見通しもきかず。

トゲトゲしい植物にコウゲキされ。

思わず、天を仰ぐ・・・。

 

 

 

しかしここで負けてはいけません。敷地の樹木は広葉樹(ヤマザクラが多い)で混んで育っているためか、山採りのようにひょろっといい感じです。ぜひ無料で庭の植栽にしたいものです。

 

ところで、プランのやり取りをする前にジョーさんは、「高断熱住宅のキモはきちんとした施工でしょ」とおっしゃり、一番大事なことを理解されていたので話がとてもスムーズでした。

 

平面計画は住居と工房の関わり方の意見調整でいくつかのプランを経て決定しました。

 

そして、配置と残す樹木を決めるため、現場へ出かけました。

 

 

伐採前。敷地南東側から。上の秋に撮った画像と同じアングルです。

冬でもこれだけヤブヤブしいとは結構手ごわいのです。

 

1回目伐採。結構切ったつもりなんだけど・・・(汗)

 

 

その後、地縄張のため、2回目伐採。

これだけ切った。

 

 

南東から敷地を見ています。

地縄を張り、残す樹木をテープで囲いました。

その後、基礎の部分は伐採・伐根し、丁張へ。

 

そして基礎工事が始まるのですが、御代田は寒いので凍結深度が80cmと深いのでこんな感じに。

地盤面から80cmまでは凍るので、凍上(建物が持ち上がる!)しないよう、土をコンクリートに置き換えなければなりません。

ちなみに長野市は40cmです。

 

その後、基礎が出来上がり、上棟を迎えます。

 

構造金物について当社の工夫を一つ。

吹き抜け等の空間に梁や火打ちを見せずにすっきりさせたい場合には垂木サポーターという金物を使い、斜天井でも耐震等級3をとれるような工夫をしています。

この屋根のてっぺん(拝み部といいます)についている垂木を挟み込んでいる金物がそれ。

取付には一つの金物につき、8本のビスを留め付ける必要があります。

結構時間がかかると大工に不評の作業(笑)。

 

しかし、そんな困難(?)を乗り越え、こんな空間が作られるのです。

 

 

 

こうしてできた「Joe Forest Guitar House」で初めての冬を過ごされ、風邪もひかずに汗だくでギターを制作されていたようです。

これ、エレキギターのボディ。

どうです、なんか感動しませんか!

 

削り出しですよ。

 

私はバイクや自転車も好きで、それらのパーツで「削り出し」があるとそれだけで興奮していました。

 

ちなみに削り出しとは無垢のカタマリをひたすら削って形にしていくことを言います。

 

木の板がこんなセクシーな形になるなんて。

 

 

そして、完成形がこちら。

 

 

 

うーん、いいですねえ。

ジョーさんはしばらくの間オーダーいただいているギターをせっせと制作していくようですが、彼の真骨頂は修理・リペアです。

ギター職人さんの中には自分の作ったもの以外は触らないという方もいらっしゃるそうですが・・・。

 

ジョーさんはそんなことはなく。

 

 

他人が作ったギターを調整・修理するのってかなり難しいと思いますよ。

ギターのことで困ったら、ぜひ問合せしてみてください!

 

お店には薪ストーブもあります。

もちろん、計算上は薪ストーブの必要はありませんが、趣味で炎のゆらぎを眺めるため・・・。

 

贅沢な時間を過ごせそうです。

 

 

えっ、ジョーさんのギターの音色が聞きたい?

 

なるほど。

 

そんな方はこちらをご覧ください。

https://ja-jp.facebook.com/joeforestguitarhouse

 

 

 

最後に。

 

 

「草越の家」は緑豊かになった頃、プロカメラマンによる取材撮影を予定していますので、6月には残した樹木を生かした庭がどうなっているのかも含め、

今よりきれいな実例をご覧いただけると思いますのでどうぞお楽しみに。

 

 

 

 

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