しなのいえ日記
低座の暮らし
先日、家具でいつもお世話になっているアメニティショップ アイさんを訪ねました(しょっちゅう行っているんですけど笑)。
一生使えるいい椅子やいいテーブルがあり、建築と家具は一体で考えなければならないといつも感じます。
そして、なんといっても椅子に座れるのがありがたい。
お尻で座り心地を実際にチェックすることができるので、座面の柔らかさとか、背もたれの感じとか、ひじ掛けの奥行とか、だらしなく座れるかとか、いろいろなことが分かります。
座面も無垢の木を削りだしたものやクッションが入っているものなどいろいろありますが、まずは座ってみないとわかりません。
家づくりを考えている方、まずはいい椅子にどんどん座りましょう。
そして、椅子と一緒に考えなければならないのがダイニングテーブルですね。
毎日ゴハンをいただいたり、晩酌したり、パーティーをたまにしたり。
高さのことがあるので、椅子とテーブルは一緒に考えましょう。
で、今日ご紹介するのは「低座の暮らし」
低く座って暮らそう、という考え方です。
低く暮らす?
天井低くとか、建物低くとか、ついに椅子と机も言い出したか・・・と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが。
私が発案したわけではなく、吉村順三さんの流れをくむ建築家の皆さんがおっしゃっていたり、
工業デザイナー秋岡芳夫さんがおっしゃっていたり、それに共感しているのです。
ところで、低く暮らすメリットとは・・・
■日本人はナイフとフォークでなく、お椀を持って食事するので机は低いほうがいい
■そもそも室内で靴を履かないので、テーブルの高さ700は少し高いのでは?
■テーブルが低いと椅子も低くなるので、足つきが良くなり様々な姿勢が取れるため、「食事」と「くつろぎ」両方に使える
■すると、ソファがいらなくなり、スペースが広がる
なるほど。
こんな暮らしに使えるテーブルと椅子が最近展示されました。
まず、テーブル。
https://amenityshop-ai.co.jp/archives/products/27142
大きさは115cm角で角を優しく丸くしたデザイン。高さは61cm!
面積のことを考えると、私たちが良くお勧めするJAZZ丸テーブルは直径120cmで6人まで使えますが、こちらはそれよりも広いのでゆったり6人、8人も可という広さです。
また、高さについては通常ダイニングテーブルで一般的な高さは70cmなので、だいぶ低いですね。
しかし、下記椅子との組み合わせでとても落ち着いた食卓となり、またくつろぐときのリビングテーブルにも使えることが分かります。
これは体感していただかないと伝わらないと思いますので、一度ぜひ。
このテーブル一つあれば、食事・団らん・晩酌・書き物などすべて間に合います。
「一机多用」イッキタヨウ というそうです。
次に、これに合わせる椅子ですが、2種類。
一つ目は日本人のための椅子を生涯にわたり研究した豊口克平さんが1955年にデザインした低座の名作椅子「トヨさんの椅子」。
https://amenityshop-ai.co.jp/archives/products/27224
これ、座りましたがホントにどっしりして、いろいろな姿勢ができて、具合がいいのです。
食事の時は前のほうに姿勢を正して座り、くつろぐときは、まさに自由。
あぐらもかけるし、「ダラッ」、とか「ぐうたら」とか。
どっしりしていて、安定感抜群。
もう一つは、「あぐらのかける椅子」
https://amenityshop-ai.co.jp/archives/products/27226
やはり低座の椅子ですが、ひじ掛けがあり、長時間過ごすにはもってこい。
「小柄でも足が床について安心」
「ひじ掛けの先に手をしっかりとつけるので、立ち上がるのが楽」
「斜めに向いても座れるのがいい」
というご意見もあるようです。
そして、なんと「下駒沢の家」のクライアントに「角のないテーブル」と「トヨさんの椅子」を選んでいただきました。
低座の暮らし。
オープンハウスを7月を予定していますので、家具が空間に収まったところも体感していただければと思います。
そして、そのあとには!
こちらも建築中の「和みの家」には、小上がりの畳ダイニングにこのテーブルの脚をカットして座卓として使う素敵な設計となっています。
こちらは9月にオープンハウスの予定です。
低く、しっとりと暮らしたい方は是非ご覧ください。
最後に、私がお店で撮った写真を少しアップしておきます。
参考になるか心配ですが・・・。
肩を張らずにゆったり肘をつけているんですが、伝わりますか・・・。