しなのいえ日記
省エネセミナー
4日の木曜日、建築士会主催の「省エネセミナー ~超省エネをめざした高断熱住宅技術~」に参加してきました。しなのいえ工房では最新の住宅設計手法・設備・建材の研究のため、こういったセミナーや研修会には、できる限り都合をつけ参加するようにしています。今回の参加者は全体で120名程とのことでしたが、そのうちの4名はしなのいえ工房からの参加です。
講師は、一般社団法人 新木造住宅技術研究協議会(以下、新住協)の代表理事 鎌田紀彦先生と、新住協に所属されている(有)西方設計 西方里見氏です。
新住協とは、「夏涼しく冬暖かい、年中快適に住まうことのできるいえ」を、お施主様の負担を少なく低コストで実現するために、高断熱高気密住宅の技術改良と普及を、約30年も前から進めてきた団体です。ここ数年、省エネルギーや断熱性能の重要性についての認識が広がる中、日本の高性能住宅の普及に先導的な役割を果たしてきました。 しなのいえ工房(株式会社アグリトライ)も、この新住協に所属しております。
セミナーの内容については専門的な部分が多いので省略しますが、特に心に残った鎌田先生の一言だけ紹介します。
「住宅性能の数値だけを追い求めてはいけない。大事なことは住む人が真に快適に過ごせること」
住宅性能の指標のひとつに外皮平均熱貫流率「UA値」があります。これは住宅の熱の逃げやすさを表す数値で、この値が低い程、断熱性能が高いことを示します。断熱性能が高いほど冷暖房コストは下がる傾向にあるのですが、ある条件下では暖房コストが上がってしまう逆転現象が起きてしまいます。(このからくりは日射取得にあるのですが、詳しい説明はまた後日。)
断熱性能がいくら高くても、光熱費が上がってしまっては意味がありません。お客様にとって何が本当に大切なのか。それを常に意識しながら設計することが大切だと改めて教えて頂きました。(断熱性能が低くてもよいということではありませんのでご注意ください。断熱性能がとても高いレベルにある住宅についてのお話です。)
鎌田先生、西方氏、お忙しい中貴重なお話をして下さり、ありがとうございます。今後も引き続きご指導のほど、よろしくお願い致します。