しなのいえ日記

付加断熱の進化

寒冷地の高断熱住宅はどのくらいの性能が必要か?


私たちは断熱等級6.5が必要と考えます。

 


6.5?


はい、6.5という等級は存在しません。


ではなぜ6.5なのか。

 


長野市の断熱地域区分は4地域です。

4地域の断熱等級6はUA=0.34。


この性能は、軸間断熱+樹脂トリプルガラスサッシで

達成可能なレベルです。


しかし、これでは柱や梁など木材は熱的に剥き出しになっているため、

熱が通りやすい熱橋(ヒートブリッジ)となっています。


これを解決するためには付加断熱が有効です。

木材を外から断熱材でくるんでしまう。

 

ではどれくらいの性能の断熱材が必要なのでしょうか。

 


しなのいえ工房では付加断熱に高性能グラスウール16Kを105mm厚施工しています。

この程度施工すると、おおむねUA=0.27程度の性能となってきます。

 


ちなみに最近流行りの発泡系での付加断熱はお勧めしません。

 

壁の構成は「外に向かって開放」だからです。

万が一、壁の中に入ってしまった湿気は外へ出ていくよう考えます。

温度と湿度は必ず高い方から低い方へ流れる原理原則があるからです。

 


発泡系は透湿抵抗がグラスウールよりも高いので、

湿気が排出されない可能性がありますので注意が必要です。

 

火災時もガスが出るのでそこもウィークポイント。

 

 

さて。

話を戻します。。。 


 


ここで、4地域の断熱等級7(最高等級)のUA値は0.23、

断熱等級6のUA値は0.34。中間値は0.285。

よって、断熱等級6.5はUA=0.285と勝手に定義しています。

 


これくらいの性能だと、満足が持続します。

快適性、省エネに納得できる。

 


で、この先もう一段階ギアを上げていくとすれば、

付加断熱をもっと厚くし断熱等級7とする。


私たちは今年等級7の住まいに初めて取り組みましたが、

付加断熱90厚用木下地を取り付け、そこにKMブラケット105を取り付けるという

なかなかに大変な工事をしました。

 

もっと簡単に付加断熱の厚さを増やせないものか

検討していたところ、信越ビー・アイ・ビーさんで

KMブラケットの180バージョンを開発していることを知りました。

 

そして本日そのサンプルを手に入れましたのでご覧ください。


ポリカーボネート製で強度試験もしており、モルタル仕上の外壁でも大丈夫。

 

これなら断熱等級7も普通にクリア出来そうです。

 

 

環境とエネルギーがますます大切になる時代。

きちんとしたシェルターをつくりましょう。


このブログを書いた人

設計・住宅アドバイザー

小嶋kojima

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