しなのいえ日記
制振ダンパーは必要か
今日も暑いですね。
こんな時は無理せず冷房連続運転で快適に暮らしましょう・・・。
快適性をアップしコストダウンするために、日除けも忘れずに。
熱は外部でシャットするのが基本です!
さて。
コストを掛けた分だけ体感できるのが断熱。
対して、なかなか体感できないのが耐震。
それでも私たちは耐震等級3を標準仕様としています。
いつも言いますが、国の耐震基準は1回だけの大地震時に「命を守る」ことができる性能です。
地震後に建物が傾き、住み続けることができなくてもいいということです。
これではまずいですよね。
住宅ローン返済中に住む家がなくかる・・・。
で、耐震等級3にしておけば大丈夫なのか、という話。
熊本地震のように繰り返し地震が来ても、耐震等級3の住まいは少々の補修で
住み続けることができるレベルです。
しかし、着実に地震のダメージは蓄積していきます。
そこで、制振ダンパーについて考察してみます。
まずは用語について。
【耐震】建物を硬くし、地震に耐える構造。耐力壁、水壁構面、接合部の補強が基本
【制振】地震力を制振装置により吸収し、揺れを抑え構造躯体へのダメージを減らす
【免震】免震装置により、地震力を建物に伝えない
それでは優先順位はどう考えるのでしょうか。
耐震→制振→免震
まずは耐震が基本ですね。
耐震等級1で制振ダンパーを採用ではだめで、耐震等級3にしてから制振ダンパーを取り付ける。
耐震等級3の性能を制振ダンパーで保護するようなイメージです。
免震については、費用が高く木造住宅では現時点では難しい。
まとめると
■耐震等級3にした上で、制振ダンパーを採用し、耐震性能を維持する
ということになります。
じゃあ、耐震性能を維持することができる制振ダンパーはどれで、いくらかかるのか・・・。
ここが大事ですよね。
まずは制振ダンパーの種類ですが、エネルギーの吸収機能によって変位依存型と速度依存型に分類されます。
変位依存型は、ダンパーの変形量に応じてエネルギーを吸収するもので、鋼材や摩擦系のダンパーがあります。
速度依存型は、ダンパーの変形する速度に応じてエネルギーを吸収するもので、オイルダンパーがあります。
ゴム系ダンパーは変位依存型と速度依存型を組み合わせたような位置づけです。
では、どのダンパーがいいのでしょうか。
結論から言うと、小さな揺れから効き始めるものがいいです。
それは・・・・
オイル系ダンパー。
商品名ですが、千博産業(株)の「エヴォルツ」。
先日、千博産業の三上さんに来ていただき、説明していただきました。
他のダンパーとの違いなど私なりに思っていることを質問してみましたので、よろしければこちらをご覧ください。
https://youtu.be/Fc1I51j2v3k
そして、体感動画がこちら。
https://youtu.be/yD2-f3cAwiI
これ、体感すると感動しますよ!
地震がなかったことになるような感覚です。
(特にワイングラスのお茶に注目)
ということで、制振ダンパー【エヴォルツ】は必要という結果になりました。
今後は新築に標準採用していきます。
そうそう、リノベーションにも使えるようです。
ただし、上部構造評点が1.0以上の場合に限るとのこと。