2016.07.04

低温による死亡者数は年間12万人

パナソニックさんとYKK APさん主催の「健康・快適な住まいづくりセミナー」で、近畿大学の建築学部長 岩前篤教授の講演を聞いてきました。岩前教授は、そのお名前で検索すると分かるとおり、高断熱住宅のコラムを書かれていたり、某断熱材メーカーのページで断熱性能の必要さを熱く語っていたり、何よりHEAT20の幹事として、これからの日本の家づくりの道筋を示されている、とってもとってもエライ方なのです。

 

講演の中で、「低温による死亡者数が年間12万人もいる」という話がありました。「いやいや、それはないでしょ。教授!」と心の中でツッコむ私。

ヒートショックが主な原因とされる死亡者数は年間で1万7000~1万9000人で、その数字は交通事故による死亡者数の数倍であるということは、業界内ではよく知られていることですが、まさかまさかの12万人。。。

 

しかし、調べてみると確かにそんな話が、医学誌のランセットの記事にありました。(英語が苦手な方はコチラに概要がありますのでご覧下さい。私はもちろんこっち。)

気温と死亡者数の関係を調査したもので、ざっくりその方法を説明すると

  ①死亡率が最も低い気温を「基準値」とする。

  ②「基準値」を超える気温を「高気温」、特に高い気温を「極端な高気温」といったように、5つに区分分けする。

    「極端な低気温」-「低気温」-「基準値」-「高気温」-「極端な高気温」

  ③②で区分分けした気温ごとに死亡率を算出し、比較する。

というもの。

 

結果のグラフを見てみると、日本を含む全ての国で「低気温(=Moderate cold)」が突出して高い結果となっています。岩前教授によると、低温時には、循環器系に限らず、呼吸器系や神経系など様々な症状を引き起こしやすいのだとか。

 

低温(「極端な低気温」と「低気温」)と高温(「極端な高気温」と「高気温」)のそれぞれの死亡率はコチラを見てください。日本は 「低温時の死亡率:9.81%」 「高温時の死亡率:0.32%」でした。

去年の死亡者数は130万2000人ですが、そのうちの9.81%、つまり12万7000人が低温による死亡者であると推定することができます。(( ;゚Д゚))ブルブル

 

この死亡者数の中には、交通事故による死亡者など、気温に直接起因しないであろう数値も含まれているわけですが、それは「高温」にも同じことが言えますし、これだけ如実に結果として表れていますので、もう言い切ってよいと思います。「人間は低温に弱い動物である!」と。

あらためて、住宅の断熱性能の重要性を見にしみて感じる講演でした。

 

ちなみに、高温時の死亡率は0.32%。低温時の30分の1以下の数値です。

毎年夏のこの時期になると、テレビ等のメディアが毎日のように熱中症による被害を報じておりますが、寒い時期はもっと危険が潜んでいることを伝えてほしいものですね。

 

IMG_0876_
開演中は撮影NGとのことだったので、開演前に撮影!
(岩前教授もいないし、情報量ゼロの無意味な写真ですが。。。)

 

 

【くわはら】