2020.09.04

パネルヒーター1台での全館冷房

和モダン

暑い夏が終わったと思ったら、早くも台風の心配です。

 

 

本当に極端な気象になってきました。台風10号での被害がないことを祈ります。

 

 

 

今日はパネルヒータでの冷房について。

 

 

去る8月30日に住まい見学会@八幡の家で2組のお客様をご案内させていただきました。

 

 

その際、パネルヒータ冷房での室内環境を計測するとともにオーナー様に住み心地をヒアリングしてきました。

 

 

 

 

外観。この日の最高気温は35℃でとても暑い一日でした。

 

 

 

 

吹き抜けがあるリビングに1台だけ設置したパネルヒータは冷暖房兼用です。パネルの高さを2階床から900mm上げて、2階にも輻射熱が届くよう設計しました。

このほか、脱衣室に暖房専用のタオル掛けヒータを1台設置しました。

 

 

 

 

ここで、八幡の家の冷暖房計画についてご説明します。

 

 

 

暖房の理想は「寒いところをなくす」という考えです。

 

温熱計算をすると分かるのですが、どんなにいい性能の窓(トリプルガラスの樹脂サッシなど)を採用しても壁より断熱性能が低いです。

 

たとえばこの家で採用しているエクセルシャノンのトリプルガラス(ESクリアスーパー)サッシはUw=0.89ですが、これと同等の性能は高性能グラスウール16Kなら40mm厚となります。ちなみにUw=2.33のアルミ樹脂ペアガラスサッシはなんと16mm厚です。

 

この家は付加断熱含め壁の断熱厚さが210mmとなっていますので、壁と窓の熱の逃げにくさを比較すると5倍程度の違いがあります。

 

やっぱり窓が弱いよねえということで、基本は熱源を窓ごとに窓の下部に設置するのが理想なのです。

 

 

しかし、付加断熱と樹脂トリプルガラスサッシで基本性能がしっかり上がっているので(Ua=0.3)、パネルヒータを減らしてもおおよそいけるのです。

 

 

ただ、冷房は暖房ほど全体への廻り方がよくなく、どれほどの環境になるのかは手探りでしたが、エアコンの気流感や乾燥感が気になるとのオーナーの要望もあり、チャレンジしてみました。

 

 

 

 

ところでパネルヒータの冷房とエアコンの冷房の違いは何でしょう。

 

エアコンでの冷房が過度に除湿となってしまうのに比べ、パネルヒータでの冷房は程よい除湿で必要以上に湿度が下がり過ぎないのが特徴です。

 

気流もないので、イメージとしては「洞窟」でしょうか。

 

 

 

 

さて、このようにパネルを集約し、パネル台数を減らしエアコンを設置しないことでコストダウンを図った室内環境はどうなるか・・・・。

 

 

 

 

 

まず、冬の状況ですが、1階リビングを22℃設定にすると2階が25℃となってしまい、若干オーバーヒートとなりました。リビングから離れた位置にあるトイレや洗面も寒いのではないかと少々心配しましたが大きな窓がないため、20℃程度をキープしました。

 

 

 

それでは8/30 14:30頃の状況です。

まず、パネルですが、15.3℃。パネルが結露し、除湿しているのがおわかりでしょうか。

このパネルの下部にはドレンパンがあり、結露水を外へ排水しています。

 

 

 

 

1階リビングの床。

25.4℃。涼しいですよ。

 

 

 

 

そして2階天井。28.3℃です。じっとしていれば過ごせますね。

 

 

 

 

1階床と2階天井で3℃の温度差がありますが、原因は2階でのパネル面積不足と南面窓からの日射取得かと思いました。

 

 

下の画像の大屋根の影を見ると、2階の大開口からかなり日射取得していることが分かります。

ここにシェードを付けるとだいぶ改善するのではないかと思っています。

 

 

 

 

総括としては、屋根断熱にGW35Kを350mm吹き込みこのような環境を実現できているので、3℃程度の温度差が許容できる方にはリーズナブルな手法と言えるのではないかと思います。

 

 

 

最後に、一番大事な住まい手のご意見

 

ご主人「エアコンはいらないかなあ」

 

奥様「来年は2階にエアコン欲しいかなあ」

 

・・・意見が分かれました。

 

 

来年用に窓からの日射取得を抑えるためにシェードを取り付けるのが落としどころではないかと提案してみます・・・。

 

 

 

【こじま】