暮らしの知識
16家の見た目は庭で決まる
家づくりをはじめようと思った時、みなさんは何を考えますか?
間取りは家事動線重視がいい。キッチンはオシャレなのがいい。外観はモダンな感じ…と建物だけの事を考えがちですよね。
しかし、建物の外観をどれだけ素敵なデザインにしたとしても、たった一つの緑が建物の存在を超えてしまうのです。家庭という字は、「家」と「庭」という文字が組み合わさって出来ており、美しい住まいを実現するには庭と家のバランスが重要です。
今回は庭についてお話させていただきます。
今の住宅から何が見えているのか
写真のような新興住宅地をイメージしてもらうとわかりやすいのですが、多くの家は南側にリビングがあり、そこには大きな掃出し窓が設置されています。
窓から見えるのは、大きなアルミカーポートと車の後ろ姿。
地面はコンクリートで覆われており、ほぼ庭がないという事が多いです。
庭がないので、道路からゆるやかに視線を遮るものがなく、外からの人目を気にしてレースのカーテンを閉めっぱなし、もしくは高めのフェンスで視線をガード。外の景色には気にも留めない。という生活をされているというのが今の多くの家の現状です。
キッチンで料理をしながら見える景色が、自分の車の後ろ姿で本当にいいのでしょうか?
豊かに暮らすために何を見るべきか?
豊かなものはすべて外からやってきます。
例えば光・熱(陽)・風・香り・音なんかがそうですよね。
家づくりで大事なのは開口部から外部を取り入れる事なんです。
断熱の観点からいっても、窓は多くつければいいという訳ではないので、「光・陽(熱)・風を取り入れる」「景色を眺める」などきちんと目的を持たせると良いです。勿論、見たくないものは見ないで壁にしてしまうという事もメリハリをつけるという意味では正解です。絵画を飾るとか、棚などの家具が置けますからね。
景色が良い土地なら借景でもよいですが、住宅街など緑があまりない場所であったら、小さくてもいいので庭を造るというのをおすすめします。
ただ、窓だけ考えればいいわけではありませんので、敷地全体をどう使うのか、中から何を見ると良いのかは、プロに提案してもらいましょう。
お家を建てる際には、ぜひ自然をどう取り入れるか・何を見て暮らすと良いかをアドバイスしてくれる会社さんにお願いすると豊かに暮らせると思います。