暮らしの知識
20北欧の名作椅子と暮らす

5月1日~28日、長野市吉田・手まりのいえモデルハウスにて
長野市の家具店 アメニティーショップ・アイさんとコラボレーションしたイベント
「高断熱住宅×北欧家具~Hyggeな暮らしの体験会~」を開催中です。
実際の住宅でリアルなサイズ感と上質な座り心地をお試しいただける貴重な機会。
参加のお申し込みは「イベント」ページより承ります。
本コラムでは、会場で展示されている北欧の名作椅子たちをご紹介します。
シンプルに、美しく。時を超えて愛されるカールハンセン&サンの家具たち
カール・ハンセン&サンは創業110年を超える歴史のあるデンマーク家具メーカー。
ハンス J.ウェグナーの家具を最も多く制作するメーカーとして知られています。また、ボーエ・モーエンセン、ポール・ケアホルム、アルネ・ヤコブセン、オーレ・ヴァンシャー、コーア・クリント、さらに、安藤忠雄、ボーディル・ケア、そして、EOOSといった世界的に知られたデザイナーの家具の製作にも着手し、デンマークが誇る伝統的な技術をもって全ての製品を制作しています。
1908年の創業以来、カール・ハンセン&サンが信条としてきたのは、妥協の無いクラフトマンシップへのこだわりです。これまでに培った高い技術と最高級の素材を用いて、シンプルで美しく、機能的な製品を生み出しています。新しいデザインを追求してやまない優れたデザイナーと卓越した職人技術が、同社のコレクションをより充実したものにしています。
~~CARL HANSEN & SØN公式サイトより~~
※各椅子の説明も同サイトより引用しています

【CH23 -Hans J. Wegner / 1950-】
ハンス J. ウェグナー初期の名作チェア
背に施された十字形のエレガントな埋木、サイドの貫を隠すように美しくダブルで編まれたペーパーコード、安定感を与える後ろ脚の曲線、ウェグナーのデザインの中でも最もウェグナーらしいと⾔えるダイニングチェア。シンプルながらディテールのこだわりによって存在感を放ちます。1950年に発表されると同時に高評価を獲得。シンプルな独特の形状表現とウェグナーの職人技巧への造詣が⾒事に融合した椅⼦として知られていながら、50年以上にわたり生産されなかった期間がありましたが、2017年に発表当時の図面に忠実に復刻。 1950年以来、当時と今なお変わらない魅力を持つタイムレスなデザインです。
【CH24 WISHBONE CHAIR -Hans J. Wegner / 1950-】
滑らかで美しいフォルム、優美なラインが特徴的なチェア
数多いウェグナーの椅⼦の中で、最も日本人に人気があるのがこのCH24 “Yチェア” 。1950年の発表以来、全世界で50万脚以上が売れ続けている、彼の作品の最大のベストセラーです。製品のパーツの精密さとクオリティーの向上のために機械の導入を積極的に行ったことで、高い造形性とリーズナブルな価格を実現。ゆったりした座面の奥行きと背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、ダイニングでもくつろげるチェアとして、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。デザインルーツは中国・明朝時代の椅⼦と⾔われており、美しく流れるようなフォルムは軽やかで圧迫感がなく、日本の空間にもしっくりと馴染みます。製作工程の100以上が手作業で行われ、120mのペーパーコードで製作される座面は優れた耐久性を備え、メンテナンスすることで、経年変化を楽しみながら生涯使い続け、次世代へ引き継ぐことのできるチェアです。

【CH45 -Hans J. Wegner / 1965-】
完璧なプロポーションをもつロッキングチェア
約500点の椅⼦をデザインし、「マスター・オブ・ザ・チェア」として知られたハンス J. ウェグナーは、ロッキングチェアに魅了されていました。デザインにこだわり、無駄を削ぎ落して快適性と機能性の本質に迫ったウェグナーは、長年の試行錯誤を経て、この美しいロッキングチェアにたどり着きました。このモダンな椅⼦には、シェーカースタイルを連想させる北欧のエレガントなシンプルさがあり、リクライニングしたラダーバック背もたれと、エンベロープ織りのペーパーコードの座面が特徴です。完璧なプロポーションのCH45ロッキングチェアは、ダイナミックな表情で、無理せずに座ったり、揺らしたり、立ち上がったりできます。

【CH71 -Hans J. Wegner / 1952-】
コンフォートを創り出す、卓越した職人技巧
一般住宅を考慮したサイズ、スペースに限りがある都会の住空間でも十分に使用できる大きさ。あまりスペースを取らないことを考慮した上で、エレガントなフォルムを追求。もちろん大きなサイズに引けを取らない、優れた使用感は絶対であり、そこに一切の妥協はありません。そしてどの角度から⾒ても美しい、丸みを帯びた彫刻的なフォルム、空間のどこにでも配置できるという利点は、ウェグナーならではの、機能と美しさを兼ねた美しいディテールです。

【OW149 | COLONIAL CHAIR -Ole Wanscher/ 1959-】
クラシックの影響を受けたモダンデザイン
ミニマリスト、機能主義者と評価される彼のデザインは、洗練された細いラインが特徴的。考え抜かれた構造によりフレームは非常に細く、優雅でありながらも優れた強度に。洗練された曲線を描く特徴的なアームは先端で真下にカーブし、ヴァンシャーらしい意匠となっています。また後ろ脚を若干カーブさせることによって、椅⼦に安定性を与え優雅な傾斜のあるシルエットに。ウレタンとフェザーを組み合わせたクッションが、さらに快適な座り心地を実現しています。

【CH07 | SHELL CHAIR -Hans J. Wegner / 1963-】
三本脚の彫刻的なフォルムをもつイージーチェア
1963年の発表当時、家具業界で独創的なデザインは賞賛されたものの、 一般に受け入れなかったことで商品化は実現せず、1989年ウェグナー77歳記念の展示会で26年ぶりに12脚が試作されましたが、その時も商品化は⾒送られてしまいました。
1998年カール・ハンセン&サンで復刻すると、瞬く間に数多くの賞に輝き、現在では多くの人に支持されるモデルに。
最高級の成型積層合板で作られ、3本脚の優れた安定性が特徴です。羽を広げたようなフォルムをもつ座面、テーパー掛かった美しいカーブを描く脚が、流れるような印象を与えています。脚部も背のシェルも、全て成型合板で作られており、ウェグナーの素材に対する強いこだわりが感じられるイージーチェアです。

【VLA76| FOYER CHAIR -Vilhelm Lauritzen | 1945-】
斬新でピュアなデザインのラウンジチェア
Foyerシリーズは、オーク材のフレームと革張りの座面・背もたれが独特の相互作用を生み出し浮いているかのようなにみえることが特徴の一つ。座面や背もたれには手作業で作られたボタンを施し、その張り込みには手間のかかる精密な作業と職人技が要求されます。また、時と共に経年変化していく美しい真鍮のネジにも注目。 3つのパーツから成るアームレストと脚は、継ぎ目が目立たないよう細心の注意を払って手作業で磨き上げられています。スタイルは繊細ですが、そのデザインの核にあるのは、柔らかな座面と背もたれによる心地よさです。Foyerシリーズは、1945年にコペンハーゲンの「ラジオハウス」のためにヴィルヘルム・ラウリッツェンが特別に手がけた家具です。