2017.07.31

命を預かる仕事

 

 

先日、木耐協の技術者講習受講のため東京に行ってきました。

曇り空が広がっており、少しは涼しいかなと期待していましたが、

空気が肌にまとわりつくような蒸し暑く過ごしづらい環境でした。

 

ところで皆さんは「木耐協」ってご存知ですか?

正式名称は「日本木造住宅耐震補強事業者協同組合」といいます。

 

活動内容を簡単に説明すると、「地震で建物が倒壊しない改修ができる技術者を育て、それぞれの地域での耐震改修活動を支援する」というものです。

 

耐震改修をするには、既存の建物がどのような状況か調査し(耐震診断)、適切な計画に基づいて行うことが重要です。これを行うにはそれなりのノウハウと技術力が必要です。

 

木耐協では建築士が上記のスキルを身につけられるよう講習を開催しており、この講習を丸一日受講し最後に考査試験に合格すると、「一般耐震技術認定者」として登録されます。

 

この講習、3年ごとの受講が義務付けられているため、技術者の「質の維持」ができるような仕組みになっています。

われわれも(しなのいえ工房には4人の認定者がいます)最先端の情報を取り入れながら再受講することで技術力の維持をしています。

 

さて、講習のお話です。

冒頭、木耐協の小野理事長から話がありました。

なんで耐震改修が必要なのか、ということです。

 

阪神淡路大震災では2階建て住宅の1階にいた方が大勢亡くなられています。

なぜか?

地震時の揺れで柱や壁が破壊され、1階部分が押しつぶされたためです。

 

当時の状況を実験で再現した画像で見ることができます。

「E-ディフェンス」と検索してみてください。

そして、「11月21日 1995年兵庫県南部地震 JR鷹取観測波 100% 1回目」 をご覧ください。

http://www.bosai.go.jp/hyogo/research/movie/movie-detail.html#2

 

 

揺れはじめてから倒れるまで。

・・・・7秒・・・・

逃げられませんよね。

飛び起きて、ウワーッとなって・・・7秒。

 

今すぐできること・・・。

2階で寝ることだそうです。

この映像を見るたびに、「耐震改修、もっとPRしないといけないな」と強く思うのです。

 

 

 

 

ちなみに、映像のなかで倒れなかった隣の建物ですが、

耐震改修してあります。

費用は150万円。

 

いかがでしょうか。高いでしょうか。安いでしょうか。

 

もうひとつ、お話がありました。

 

昨年の熊本地震で倒壊した住宅の内訳です。

 

■1981年(昭和56年)までに建てられた旧耐震の住宅・・・約28%

■2000年(平成12年)までに建てられた新耐震の住宅・・・約9%

■現行基準で建てられた住宅・・・・・・・・・・・・・・・約2%

旧耐震の住宅が壊れるのは分かりますが、新耐震の住宅もおよそ10分の1で倒壊しているのです。

 

これを受けて、国交省は新耐震の住宅も耐震診断を進めるような働きかけを木耐協にしています。

 

このような話を聞いて、私たち建築に携わるものは住まい手の健康を守ることは当然ですが、

それ以前に命を預かる仕事なんだという意識を強く持って業務にあたらなければならないとあらためて決意しました。

 

 

 

【こじま】